腎臓の働きが低下すると、血液のろ過が充分に行えず、水分や老廃物が体の中に溜まってしまいます。そのような場合に、人工的に血液の浄化を行うのが透析療法です。言わば人工腎臓です。

主に3つの働きがあります。

1. 血液を浄化して、老廃物や毒素を排泄する。
2. 体の中の水分量や電解質（ナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウムなど）の調整をする。
3. 血圧の調整や赤血球や骨を作るのに必要なホルモンの分泌と調節をする。

人工透析をすることで、余分な水分や老廃物を取り除き尿として排出する機能は補えます。一方で、血圧の調節や赤血球、骨を作る等の役割はお薬に頼ることになります。

個人差がありますが、腎臓の働きが10％以下になると人工透析が必要になります。

1回4-5時間、週3回が基本です。患者さんの病状や体調によって、変更することもあります。

感染症や手術の影響で一時的に腎臓の機能が低下した場合は、腎臓の機能が回復して、人工透析を中止できることもあります。一方で、糖尿病などの病気が原因で慢性腎不全になった場合は、現在の医学では腎臓の機能を回復させることは不可能です。

シャントとは、静脈を動脈に縫い合わせてつなぐことで、動脈の血液を直接静脈に流すことをいいます。（通常は動脈から毛細血管を経て静脈に流れます。）人工透析では、毎分200ccの血液を身体の外に出し、浄化した後に再び血管へ戻します。そのためシャントが必要です。

提携医療機関で作っていただきます。局所麻酔で、手術時間は1-2時間程度です。患者さんによっては、外来での手術も可能です。

人工透析を受けることが決まりましたら、各健康保険の窓口で「特定疾病療養受療証」の交付手続きをしてください。これにより、人工透析の医療費は月1万円（一定以上の所得のある方は2万円）になります。また、身体障害者手帳、更生医療を申請すれば、さらに減免されます。身体障害者手帳をお持ちの場合、人工透析以外の医療費も助成対象となります。詳しくは、当院の医療・介護相談室にご相談ください。

旅行先の医療機関に人工透析を依頼しますので、担当医にご相談ください。当日は、健康保険証と特定疾病療養受療証をお持ちください。全国どこでも1万円（1か月の上限。一定以上の所得のある方は2万円）で治療を受けられます。

事前に当院にご連絡ください。いつも治療を受けられている医療機関から、診療情報提供書（紹介状）、透析条件表等を発行していただいてください。当院から先方の医療機関に照会することも可能です。当日は、健康保険証と特定疾病療養受療証をお持ちください。治療費は1万円（一定以上の所得のある方は2万円）です。

まずは医療・介護相談室にご連絡ください。ご都合の良い日時にご来院いただき、施設内をご案内し担当医が治療のご相談をお受けします。その後、診療情報提供書（紹介状）、透析条件表等を発行していただいてください。当院から先方の医療機関に照会することも可能です。人工透析は、身体的にも精神的にも大きな負担を強いる治療法です。当院では、全室個室の快適な治療環境をご提供します。